2回目は中国のお話で。

日本ではそれほど「大人気」という程ではない皇帝、後漢の開祖、光武帝ですが、
実にすごい人だったのです。
三国志の曹操、唐の太宗、宋の太祖、新王朝を建てた人たちが
軒並み模範とし、尊敬していた皇帝。それが光武帝です。

この人はちょうどイエス=キリストと同学年です。
キリスト誕生時、ベツレヘムの星の伝承があるように、
光武帝誕生時には彗星が70日見えていた、とあります。
おそらく、同じ星なのでしょう。

その2000年以上前に活躍したのですが
あまりにもスゴイエピソードが満載なのです。

武の面では、
 ・数千人で百万の軍を撃破
 ・自ら指揮を執った戦では無敗
 ・皇帝になってからも最前線で突撃敢行
と、並べると豪傑タイプに聞こえますが、
実際は中肉中背で、普段は温和な物静かな人物でありました。
親類からは「人見知り」と言われるほどです。

光武帝の兄が軍を起こす際も、最初はなかなか人が集まらなかったものの
「あの慎重な人も参加するのなら」と参加する人が増えたそうです。

また、元々学問で身を立てようとしただけあり、
軍中にも書物を絶やさず、皇帝即位後は、読書のし過ぎで体調を崩したほど。
文武両道の典型的な人でした。

徳政も徹底しており、「庶民第一主義」を掲げ
2000年前に“奴隷解放宣言”“人権宣言”に該当する法を発布、
法の下の平等を徹底させたうえ、働けない者の生活保護制度まで作っています。

学校も作り、中国に於いて、後漢は識字率が史上最も高かった時代になりました。
税は今までの1/3、専売制度も止め、経済が大きく発展することになります。

・・・と、素晴らしい成果を挙げた皇帝なのですが、
この人の魅力は、そこだけではなく。

実に気さくな人柄だということが、史書に沢山残っているのです。

まず、地元の初恋の人を妻に迎えてます。
「妻をめとらば~」って歌やドラマに出て来ますが、
元ネタはこの人の「妻を娶らば陰麗華(娶妻当得陰麗華)」から来てます。

で、この奥さんの発言として
「アナタのオヤジギャグ寒いから嫌い(意訳)」
てのも史書に残ってます。
というか、そもそも光武帝の発言として、所謂オヤジギャグが
史書の中に大量に残されています。

また、皇帝になってから、お忍びで街中に飲みに行って、
門限過ぎて宮殿に入れてもらえず、部下に叱られた、
という話も1度や2度じゃありません。

当然、建国の功臣の粛清などはせず、皇帝になってからも
赴任地から時々呼んで、一緒に酒飲んだりしてました。

この学問好きで気さくなお兄ちゃん的な人柄と
実際に成し遂げた勲功のギャップが物凄い。

中国の皇帝や権力者というと、殺伐とした話が多いのですが
光武帝には一切、その気配がありません。

もう少し、日本でも知られていい皇帝だと思っています。