「会社のノートパソコンには盗難防止にワイヤーを付けましょう」
 
これもよく聞く話です。
特にプライバシーマークが盛んに取得されるようになってから、
耳にするようになった気がします。

これは意味があまりない、という以上に、
「持ち運びがしやすい」というノートパソコンの存在意義に逆らった対策に思えます。

第一、持ち運びできないのだったら、デスクトップパソコンの方が性能が良い。
そもそも「持ち運びできないノートパソコン」を買う意味が無い。

でも、「既に購入しているノートパソコンへの盗難対策としては
ありだろう」と考えるもいます。果たして本当にそうでしょうか。

仮に自分が泥棒だったら、と想像してみましょう。

  私は泥棒です。とある会社に侵入しました。
  今は会社の秘密情報がブラックマーケットで高く売れる時代。
  重要情報をできるだけ盗もうと考えています。

そう考えた時、盗むのはノートパソコンでしょうか?

社外に持ち出しすることもあるから、
普通ノートパソコンには重要情報をあまり入れません。

デスクトップパソコンやNAS、ファイルサーバ等の方が、
ノートパソコンより重要情報が沢山入っている可能性は高いでしょう。

サーバやNASはラックに入っているかも知れませんが、
デスクトップパソコンはそうは行きません。

じゃあ、デスクトップパソコンにワイヤー付けてますか?

大体、ノートパソコンの「盗難防止」だけを言うなら、
鍵付きキャビネの中に入れて帰れば良いのです。ワイヤーなんかより余程確実です。
持ち運びしやすい・場所を取らないのがノートパソコンなんですから。
むき出しで置いておかなければならないデスクトップパソコンより安心です。

その上、ワイヤーだと「可搬性」という
ノートパソコンの重要なメリットを封じてしまいます。
企業内のノートパソコンにワイヤーを付けるなんて、
不要どころかマイナスにしかならないのです。
 

 ただし!

ワイヤーを付けることが有効なシチュエーションが一部あります。
それは、外部の人間の前でノートパソコンを使用する場合。

例えば、携帯ショップとか不動産屋さんとか、
窓口でお客さんの対応をする際の情報端末がノートパソコンである場合。

窓口では不特定多数のお客様と話をします。
場合によっては、店の奥にある資料を持ってくる必要もあるでしょう。

そのほんのちょっと目を離した隙に、
ノートパソコンを持ち逃げしようとする人が出るかも知れません。
どんな人が来ているかわからないですからね。

その時にワイヤーで繋げていれば、持ち逃げができなくなります。
このような場合だったら、「ノートパソコンにワイヤー」は有効です。

どうも、このような一部の有効な事例が、
伝えられるうちに「ノートパソコンにはワイヤー」とだけ
広まってしまったようなんですね。

社内のノートパソコンにワイヤーを付けることは
セキュリティ的に意味の無いことです。

もし、掃除業者が入るというのであれば、
デスクトップパソコンに盗難防止ワイヤーをつけて
ノートパソコンは鍵付きキャビネにしまうようにしましょう。

「何のために、その対策をするか」を理解しておかないと、
無駄な費用をかけることになってしまうのです。